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かれ

は?と呆気に取られても仕方が無いのですが、本当に書くような事はここまでで、しげはる君と過ごす生活が始まってしげはる君に夢中になった日々が終わるまでの過程はほぼ全て正確に書き切ったかなー・・と思います。


これぞ体験談の成せる業。
究極のリアル、生々しい嫌ぁーなエンディングでした。(いや、本当に・・・)
記憶を頼りに綴った話もこれにて了。
その前にシメとして、最後に書かせて貰うなら、別れも本格的に近くなった頃にやって来たしげはる君のお誕生日のプチエピソード。
彼への最後の手料理兼プレゼントは、夏の終わりに贈るバレンタインチョコだった。

・・多分、意味不明だろうから、もう少し詳しく書く。
しげはる君へのバースデープレゼントを買った。
水族館の日から後日、ギリギリのタイミングで、お菓子と水中絆創膏を買って可愛くラッピングした。
実用的なモノをあげたいと思って選り選った結果がコレである。
中身は下らないものの寄せ集めパックみたいになってしまったが、見た目は結構綺麗に・・・なったと思う。(某激安ショップの包装紙やらリボンやらがバッグやらが初めてまともに役に立った時です)
あとは、ミニケーキでも用意して別の紙のケーキバッグに入れて包めば完璧だと思った。
買って来たプレゼントと小さな手作りケーキで、二つの贈り物。
いいじゃんいいじゃん。
そう思った。
・・・でも。
結局ケーキは作らなかった。
果たしてそれは私が彼に対して冷め切っていた所為か。
いや、考えるまでも無く、冷めていた所為なんだろうな。
結局のところ、あの水族館で気付いてしまって以来、興味や下卑た関心といったものが抜け落ちた。
罪悪感を残しつつも、私は、ケーキを焼く事を面倒がって止めてしまったのだった。
そんな自分への言い訳が、「どうせこんなにお菓子貰っても彼だってウザったいだろうし・・・」だった。

冷めちゃった所為かな。
冷めちゃった所為なんだろうな、きっと。

代わりに、何故だか引き出しの奥に仕舞い込んであった某激安ショップ製の小さなチョコボックスを見つけ、それに見合った大きさのトリュフを4個、心を込めてころころと作った。
最後なんだから、と、どうせ2月までなんか一緒に居る事もない彼へ、何処からどう見てもバレンタイン用な赤いハート柄の小さなボックスをそのまま手渡した。
全く、酔狂や季節外れにも程があるよなァと思いながら、自棄になって渡したプレゼント。
中のトリュフを見る事もなく、それともう一つの包みの中に何が入っているのかさえ知らない彼、しげはる君は、二つのプレゼントを私から受け取ると、にんまりと盛大な笑顔で答えてくれた。
冷めていた私から贈られた最後のプレゼントだとは知らずに、とても喜んでくれた。
私も本当に嬉しくなってしまい、そして、何処か悲しくなった。

有難う。
有難う御座いました、本当に。
貴方が家に来てくれたお陰です。
貴方と一緒に暮らすようになってから私は、人前に出る為の努力の大切さを知りました。

結局、私が変わった事・・・身なりに気を遣うようになったのも料理をするようになったのも、全て、彼のお陰なのだ。
彼が居た生活が無ければ、(オーバーに言うと私は)一生だらしないままだったのかもしれない。
そう考えると怖い。
・・ううむ、それにしたって無駄な事なんて一つも無いというのは本当だったのか。
学んだ事もあるし、新たな繋がりだって出来てしまった。
結局のところ最後の方はかなり――虚しい気分を味わったりしたものだったが、無駄な経験では無かった。
決して。



冬の気配がする。
今年ももうじき終わってしまう。
彼が居た今年の夏は一体何だったのだろうと考える。
夢か幻か?
もう彼や彼のお友達と会う事はこの先滅多に無いのだろうが、平たく言えば彼が身近な場所に住んでいたというだけの今回の私の経験は、私を大いに成長させてくれたのだろう。

実感が沸く事は初めてだ。
特にそれが自分の成長に関わっているとなると、それ程嬉しい事は無い。
 

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Author:三葉
その実態はおたく
ブログタイトルは『さよならを教えて』の(名鬱ソングと名高い)主題歌より